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ホーム特集なぜ市立熊本産院の見直しをするの?

なぜ市立熊本産院の見直しをするの?
〜お産をめぐる医療体制の強化・ 赤ちゃんとお母さんへの保健福祉サービスの充実に向けて〜

 急速な少子化、核家族化が進む中、本市ではまちづくり戦略計画で重点的に取り組むターゲットの一つに「子どもたちが健やかに成長するまち」を掲げ、子育てしやすい環境づくりに向け積極的に取り組んでいます。
 その中で、お産をめぐる医療体制の強化、赤ちゃんとお母さんに対する保健福祉サービスの一層の充実を図るため、市立産院と市民病院との一体化、民間医療機関との役割分担の明確化、新生児期母子サポートセンター(仮称)の整備など、強化・拡充の視点から見直しを進めています。

本市における産科医療の経緯

 本市の産科医療については、地域医療の確保と推進を図るため、昭和21年に開設した市民病院と、経済的理由でお産ができない人を支援することを目的として、昭和25年に開設された市立産院で行われてきました。
 そして、平成14年には、市立産院が、その翌年には市民病院が「赤ちゃんにやさしい病院」としてユニセフの認定を受けるなど、これまで赤ちゃんとお母さんの安心づくりに大きな役割を果たしてきました。

市立熊本産院の現状と見直し

 そのような中、少子化の進展やお母さんたちのニーズの多様化などにより、市立産院での出産数は、昭和47年度には1,400件を超えていましたが、平成16年度では、294件(うち市内216件)となり、市内総出産数の4.3%を占めるにとどまっています。
 また、出産数のうち、本来の目的であった経済的理由でお産ができない人を支援する助産措置は、昭和47年度の303件をピークに減少し、平成16年度には62件となっています。
 さらに、経営基盤の安定を図るため平成11年には市立産院の組織を市民病院に統合し、その後も人員配置の見直しや事務経費の縮減にも積極的に取り組んできましたが、平成元年度以降約一億円から二億円程度の赤字で推移しています。

市内での出生数と市立産院での出産数および市立産院への赤字補填額
 
 

お産をめぐる本市の現状と課題

 国が発表した平成16年人口動態統計では、一人の女性が生涯に産む平均子ども数が1.29人となりました。本市においても、昭和59年から62年の平均1.63人から、平成10年から14年では平均1.41人と減少し、年々少子化傾向が強くなっています。
 また、少子化が進む中、平成14年度の本市の早期新生児死亡率・新生児死亡率は全国平均を上回っており、母体・胎児・新生児に対する高度な医療体制を強化することが緊急の課題となっています。
 さらに、出産や育児に対する産前、産後のストレスなどによる産後うつへの対応など、現在行っている保健福祉センターを中心にした家庭訪問、相談など拡充し、多様化する要望にもお応えするため、総合的な支援体制づくりが強く求められています。
 そこで、このような背景から、本市で生まれる全ての赤ちゃんとお母さんの安心づくりを一層強化、推進するため、関係機関と連携し、多方面から検討を行うとともに、市民アンケート調査、産科医療機関の実態調査結果を踏まえ市立産院の見直しを行うこととしました。

市民病院と市立産院との産婦人科に関する業務等比較一覧表(平成16年度)
  市立産院 市民病院
施設の設置目的 経済的理由でお産ができない人を支援することを目的とした「助産施設」 市民の疾病などの診療及び助産を行うことを目的とした「病院」
診療科
産婦人科
産婦人科ほか24科目
病床数 38床 46床
職員数 医師3名、
看護師・助産師18名
医師7名、
看護師・助産師29名
年間の出産数(市外含む)
294件(うち助産件数62件) 560件★
社会的(DVなど)、経済的に問題を抱えるお産件数 83件
72件
民間医療機関からの紹介状況 66件 381件★ (産科のみ)
「赤ちゃんにやさしい病院」ユニセフ認定
両親学級の実施
電話相談の実施
子育てサークルの実施
NICU・MFICU(新生児・母体への高度医療)の有無 ×
女性専門外来の有無
×
常勤医師の夜間在駐 △(呼び出し対応)
(★は平成16年の実績)

市立産院の見直しに対する施策展開の基本方針について

〈市立熊本産院見直し後のイメージ〉
本市で生まれる全ての赤ちゃんとお母さんの安心づくりは市民病院と市内産科医療機関と保健福祉センターと新生児期母子サポートセンターの協働と連携の強化がイメージです

(1)お産をめぐる医療機能の強化と充実

 市立産院の機能を見直す中で、お産の機能を廃止し、産院が担ってきた福祉的支援を要するお産や、これまで培ってきた、母乳育児や母子同室など赤ちゃんにやさしいお産を、市民病院への統合と民間の医療機関との連携により、全市的に拡大します。市民病院でのNICU(新生児集中治療室)の増床など新生児医療の高度化に取り組むとともに、お産医療における福祉的な相談機能を強化していきます。

(2)お産をめぐる保健福祉施策の強化と充実

 各保健福祉センターでの支援機能の充実を図るなど、女性の多様なニーズに対応した保健・福祉サービスを効果的に実施するとともに、現在の市立産院を新生児期母子サポートセンター(仮称)として整備し、新生児の成長支援や育児不安の早期解消に取り組みます。

(3)赤ちゃんにやさしいお産や医療を実施する産科医療機関の拡大

 民間産科医療機関との協働のもと、研修・勉強会の開催、赤ちゃんとお母さんの安全安心づくりに向けた情報の発信など、全市一体となって、赤ちゃんとお母さんの安心づくりに取り組む体制を整備します。


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市立熊本産院の見直し後の機能拡充計画(案)

市民病院(産婦人科)
具体的展開
医療機能 新生児・母体に関する高度医療機能を整備し拡充
医療機能 お産の実施
医療機能 ユニセフ認定の「赤ちゃんにやさしい病院」として、母乳育児や母子同室など、赤ちゃんにやさしいお産医療を実施(平成15年度より継続して実施)
医療機能 母乳育児の支援、産後の体調不良や育児不安の解消のために、保健指導を必要とする母子へのケアを継続して実施
医療機能 福祉的支援を要するお産への対応、他の医療機関と円滑な連携のため、医療福祉相談窓口を整備
福祉機能 助産措置、福祉的・経済的な支援を要する方のお産の実施
保健福祉機能 両親学級、電話相談の実施および子育てサークルの支援
その他 実習生受け入れを継続して実施
市内産科医療機関(民間)
具体的展開
医療機能 お産の実施
医療機能 母乳育児の支援、産後の体調不良や育児不安の解消のために、保健指導を必要とする母子へのケアを継続して実施
医療機能 母乳育児や母子同室など赤ちゃんにやさしいお産医療の実施
医療機能 お母さんと赤ちゃんの安全安心づくりに向け、保健・医療情報を提供
福祉機能 身近な場所で助産措置が受けられるよう複数箇所の医療機関が助産施設となる
福祉的支援を要するお産に対応
保健福祉機能 両親学級、電話相談の実施及び子育てサークルの支援
その他 実習生受け入れを継続して実施
新生児期母子サポートセンター(仮称)
(現市立熊本産院を同センターとして整備)
具体的展開
保健福祉機能 保健福祉センターと連携し、新生児がいる家庭を全数訪問する(現在は6割程度)
保健福祉機能 来所による相談、電話による相談に対応
保健福祉機能

出産後退院した後の様々な育児不安に対して、次のような技術の実地指導などを行う

  • 母乳育児に関すること(乳房マッサージなどのケア、母乳育児の練習、その他の搾乳指導)
  • もく浴やそのほかの育児知識や技術の実地指導
  • 母親の身体的、精神的体調回復のための保健指導など
保健福祉センター等
具体的展開
保健福祉機能 医療機関と連携促進
保健福祉機能 産後うつ病の早期発見と支援
保健福祉機能 妊娠・出産に関する不安や心配事を把握し、対応を充実
また、医療機関と連携し、支援が必要な妊産婦に対し情報を提供してもらう
保健福祉機能 働く母親のニーズをふまえた利便性の確保と夫の育児参加促進を図るための休日、土日の両親学級開催
保健福祉機能 子育てサークル活動の支援
保健福祉機能 育児負担の軽減と子どもの健全育成を図る、産後ヘルパー派遣事業を実施(子育て支援課)
保健福祉機能 お母さんと赤ちゃんの安全安心づくりに向け、保健・医療・福祉に関する情報を提供
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市民の疑問にお答えします
市立産院の見直しについてのQ&A

Q  今後は市民病院が産院の役割を担うって聞いたけどどういうことなの?
  市民病院は、地域医療の確保と推進を図る公立総合病院として、産婦人科のほか、24診療科目に対応し、他の疾病にも連携して治療ができます。
 市民病院と市立産院の比較一覧表(参照)のとおり、市民病院も平成15年にユニセフの「赤ちゃんにやさしい病院」の認定を受けており、現在市立産院が行っている内容はもちろん、高度な医療を必要とする赤ちゃんやお母さんへの対応も可能です。

市立産院見直しに伴う市民病院の機能強化の主な内容

○お産に関する母子医療機能の強化

 NICU(※1)15床(医師10名、看護職員50名)→ 18床(医師11名、看護職員65名)
 MFICU(※2)6床(医師7名、看護職員29名)→ 6床(医師8名、看護職員29名)

○福祉的分娩への体制整備
 助産措置病床 0床→10床
○医療福祉相談の強化
 メディカルソーシャルワーカー、保健師、看護師 3名→4名
 ※1 NICU =新生児集中治療室
 ※2 MFICU =母親と胎児の集中治療室


Q  市立産院以外の産科医療機関では現在産院が行っている母乳育児や母子同室などの「赤ちゃんにやさしい医療」は行ってないの?
 市内の産科医療機関は、市立産院を含め25施設ありますが、本年5月から6月にかけて行いました医療機関の聞き取り調査では、母乳育児を推奨しそれを支援している施設が24施設(96パーセント)、お母さんと赤ちゃんが24時間一緒に過ごせる母子同室は、全ての医療機関で対応しているという結果でした。
 また、休日や夜間の出産・育児等に関する電話相談は、全ての医療機関で行われていました。

Q  市立産院を残したまま新しい計画を実施すれば、より充実するんじゃないの?
 産院の分娩機能を残したまま新しい計画を実施するためには、新たに職員の採用や施設整備等が必要となり、現在の財政状況からみても困難です。
 そこで、現在の産院の施設や産院で培った豊富な経験をもつ人材を活(い)かし、市民病院や市内産科医療機関および保健福祉センター等との協働と連携によって、お産をめぐる医療体制の強化と保健福祉サービスの充実を図り、本市で生まれる全ての赤ちゃんとお母さんの安心づくりを進めていきたいと考えています。

Q  行財政改革を推進する中で、(仮称)新生児期母子サポートセンターに新たに予算を投入するのは、改革にならないのでは?
 本市ではまちづくり戦略計画で、重点的に取り組むターゲットの一つに「子どもたちが健やかに成長するまち」を掲げ、その中で「母と子の健康の確保と増進」を施策の重要な柱として位置づけています。この実現に向けた取り組みの一つとして、産院の見直しを行うことにしており、単に行財政改革だけで取り組むものではありません。
 本市で生まれる7,000人の赤ちゃんとお母さんの安心づくりを進めるために、現在の施設や人材を生かして、新たに(仮称)新生児期母子サポートセンターを開設するものであり、その経費の投入は必要となります。

 市立熊本産院の見直しなどご意見やお問い合わせは、健康福祉政策課(電話番号096-328-2340)へ。

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